AGA治療薬のプロペシアを服用すると、「うつ病」の副作用が現れることがあります。
もしプロペシアの服用を開始して不安感やだるさといった症状を感じたら、副作用が起きているかもしれません。
放置しておくと最悪の場合、精神病になってしまう可能性もあるため、迅速に対処しなければいけません。
本記事ではプロペシアとうつ病の関係性について解説するので、プロペシアを服用する予定がある人は要チェックです。
目次
高い確率で「うつ」の副作用が起きる

プロペシアの添付文書にも、副作用として「抑うつ症状」が記載されており、この症状が現れる可能性は比較的高いといわれています。
「抑うつ症状」とは、うつの状態が2週間以上続くこと。
うつとまではいかなくても、プロペシアを服用することで怒りっぽくなったり、落ち込みやすくなったりと性格が変化することが多々あります。
このことが家庭や仕事でトラブルを起こしてしまうケースもあるので、注意する必要があります。
変化には個人差がありますし、必ず起こるというわけではありませんが、副作用の影響が強く現れた場合、自殺に至るケースもあるため軽々しく考えてはいけません。
プロペシアでうつ症状が起きる理由
実のところ、プロペシアでうつ症状が起きる科学的根拠はありません。
ただし、多くの人がプロペシアの服用を開始した直後から性格の変化を感じているため、全く因果関係が無いとはいえません。
フィナステリドが原因?

原因はプロペシアの主成分であるフィナステリドの影響ではないかといわれていますが、はっきりとはわかっていません。
フィナステリドにはAGA(男性型脱毛症)の原因である「DHT」を抑制する働きがあるため、男性ホルモンであるテストステロンにも何らかの影響を与え、ホルモンバランスが崩れることで性格の変化が起こってしまうと考えられています。
ホルモンバランスの影響

フィナステリドはDHTの抑制以外にも、さまざまなホルモン系統に影響を与えている可能性があります。
ホルモンバランスが乱れるとタンパク質の形成が乱れ筋肉を作る働きが鈍くなり、だるさや倦怠感を感じるようになります。
女性の更年期障害でも、ホルモンバランスの乱れで攻撃的になったり重度のうつ病になったりするので、フィナステリドがホルモンに影響してうつ症状が起きるというのも納得です。
神経活性ステロイドを抑制する

神経活性ステロイドはうつ病を抑制する物質で、人間を前向きかつ活動的に導いてくれます。
フィナステリドはこの神経活性ステロイドの働きを抑制する作用を持っているため、プロペシアを服用することでうつを発症してしまうという見解もあります。
いずれも研究途中なので確実性はありませんが、プロペシアを服用してうつを引き起こしてしまうことは十分あり得ることです。
こんな症状はうつの前兆で要注意

プロペシアの服用で下記のような症状が現れたら、うつの前兆かもしれません。下記は実際にプロペシアの副作用として報告されているものです。
このような症状を感じ始めたら、すぐにプロペシアを処方してもらった医療機関に相談してください。
行動の変化
何事にもやる気がでない、仕事がつらくなる、物事に取り組むのに時間がかかる、人に会うのが億劫になる、集中できなくなる
気持ちの変化
何をしても楽しくない、イライラしやすくなる、常に不安に襲われている、心配事が増える
体の変化
体がだるい、頭痛、めまい、食欲不振、背中・腰の痛み、肩こり、動悸・息切れ、性欲低下
プロペシアの副作用でうつ病と診断されたら…

医療機関に相談し、プロペシアの服用による「うつ病」と診断された場合は、すぐに使用を中止してください。
しかし服用を中止すればすぐにうつ病が改善するわけではなく、後遺症としてうつ病が継続される場合もあります。
このような後遺症を海外では「PFS(ポストフィナステリド症候群)」と呼ばれ、「ポストフィナステリド症候群財団」が発足されるほど。
日本ではプロペシアの副作用は大きな問題になっていませんが、アメリカやヨーロッパでは訴訟も起こされています。
うつ病が発生する可能性

ジョージワシントン大学のマイケル・アーウィング博士が行った実験結果が報告されています。
博士は「フィナステリドの服用を中止して3ヶ月経過しても男性機能の低下が続く60人」と「フィナステリドの服用をしておらず、精神病も患っていない30人」に、うつ病になる可能性があるかどうかを診断テストで調べました。
すると、男性機能の低下が続いた60人のうち約75%にうつ病の発症可能性、約44%に自殺願望が確認されました。
一方、フィナステリドの服用をしていない30人でうつ病の発症可能性は約10%、自殺願望はたった3%でした。
以上の結果でわかるのは、プロペシアの服用を開始して男性機能障害の副作用が出た場合はうつ病になる可能性が非常に高いということです。
ナイナイ岡村隆史もプロペシアでうつ病に?

芸能人の中にもプロペシアが原因でうつ病になったのでは??という人がいます。
ナインティナインの岡村隆史さんです。
岡村さんは一時期うつ病でテレビ番組の出演を休んでいましたが、その原因がプロペシアじゃないかと言われています。
プロペシア副作用(鬱)海外での勧告事例

韓国では「プロペシアなど、フィナステリドを成分とする脱毛症、前立腺肥大症の治療薬を服用後、うつ病、自殺念慮が起こる可能性がある」という警告表示が義務付けられています。
ヨーロッパでは韓国に先駆けて、フィナステリドの後遺症専門の研究機関・PFSF(PFS財団)から「うつ病と自殺念慮の副作用(後遺症)について警告を表示すること」という勧告が出されています。
PFSFでは統計を取り始めてから、51件にのぼる自殺に関する報告がありました。自殺行動、自殺念慮など重大な症例も見られるので、さらなる周知が叫ばれています。
さらに、精神症状を発症したら医師にアドバイスを求めるよう警告されています。
まとめ

はっきりとした科学的根拠はありませんが、プロペシアにはうつ症状の副作用を起こす可能性があります。
個人差があるものなので確実にうつになってしまうわけではありませんが、気になる方はプロペシアの服用は最終手段として、まずは医薬部外品の育毛剤から使い始めてはいかがでしょうか。
医薬部外品の育毛剤であれば、副作用の心配はほとんどありません。あったとしても、天然成分なので頭皮のかゆみ程度と思います。
まだ解明されていないことが多いプロペシアですが、服用する際は十分に副作用の知識を得てからにしましょう。